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やっと、逢えた
第4章 触れるだけで
「洗ったヤツを入れてくれてるから」と言うと、
両手で丁寧に中のモノを出していく。


「素敵なカップですね?
口当たりが薄くて、
水色(すいしょく)も美しく見えるでしょうね?
ポットで淹れるんですね?
茶葉は…。
まあ、とても綺麗で香りが良いですね?
あ、ごめんなさい。
私、お喋りですよね?
先生、疲れちゃいますよね?」と笑う。


「いや、全然」とぶっきらぼうに返事をしてしまうけど、
彼女はおっとりした口調で話ながらお茶の用意をしてくれるのを、
のんびり見つめていた。



「あっ!
お菓子も入ってました。
いただいても良いのでしょうか?」と、
悪戯を見つけられた子供のようなあどけない顔で言うから、
可笑しくて笑ってしまう。


「全部食べて良いですよ。
俺、甘いモノはあんまり食べないから」と答えると、
平たい皿に、丁寧に焼き菓子を並べ始めた。



そのしぐさ、全てが愛らしくて、
抱き締めたいくらいだったけど、
俺はグッと我慢してソファに先に座った。
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