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嘘が下手
第27章 ボーイフレンド

次の店はオープンして一年足らずのショットバー
3人共初めて訪れる店だった
ストールを巻き直して私がバタンとドアを開ける
以前スナックだった面影を微かに残す内装
ずいぶん前スナックだった時に一度来たことがあったっけ…
当時は絨毯張りだったような…
『いらっしゃいませ~!』
私『3名ですが……って誰もいないね!』
まだ客はひとりもいなかった
カウンター越しに若いウェイターが人懐っこい笑顔で迎えてくれた
笑顔で接客してくれる26才のウェイター
なかなか好感が持てた
名前はシゲル
マサトとヤエコがいい雰囲気で話しているので
私はシゲルとおしゃべりしていた
若い女の子3人
一人で飲みにきた中年男性
後から入ってきた客も交えて談笑した
そこに私の友人の子供が通う英会話教室のオーナー講師
ハンク先生が入ってきた
ハンク先生は夜の街でよく見かける
彼はいつも泥酔状態
何度会って会話しても憶えていた試しがなかった
私『ハンク先生!』
ハンク『OH!ワタシノコトワカリマスカ?』
私『わかりますよ!ハンク先生は有名人だから!』
毎回同じ会話から始まる
いつの間にかハンク先生が私の隣に座っていた
最初はマサトも一緒に話したが
いつしか反対に向き直してヤエコと話し込んでいた

