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嘘が下手
第50章 繰り返す悪夢
妻は怒りを思いっきりぶつけてきた


人のダンナにちょっかい出すな!

弁護士の知り合いがいるから出るとこに出る!

泥棒猫!


思いつく罵詈雑言が次々に送られてきた



証拠も何も掴んでいない

反論しても意味のない内容だった

夫を責める気持ちは皆無なのはわかった

私が静かに身を引けば平和になる夫婦



とにかくSNSのやりとり以上の関係はないし

会ったこともないと弁解した


これ以上近づくなという妻の言う通り

SNSは私からブロックした


幼い子供を抱えた妻の必死な訴えに逆らうつもりなんてない

家族が仲良く暮らしていければそれに越したことは無い


翌日オサムからメールがきた


"昨日は自宅にケータイを忘れてしまった

妻が勝手に全部見て変なメッセージ送ったみたいでごめん

しばらくは逢えないけどこれからも関係は続けていきたい"



"ありがとう

だけど私はもう逢う気はないよ"



お互いに元気でねと

短いやり取りをして終わった



すべてがザックリと切り裂かれるように終わっていく

なんだかとっても疲れていた


傷口が乾く前に新たな傷が出来る

瘡蓋が出来そうになると剥がされる


ボロボロになっていく



そんな私の一挙手一投足を夫はじっと見ていた


そんなことも気付かずに私はまた傷を増やしていった

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