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愛欲ハーレム・妄想の処女〜琴葉【官能作家・霧山純生の情事】
第9章 温泉旅館で〜セックスの余韻のなかで、霧山、官能を考察する
 生きている人間なのだから誰しも汗をかく。女が汗ばんでいたら、どれほど綺麗な女であろうとも汗の匂いがする。男のほうが筋肉の量が多いから、セックスで少しも汗をかかない男はいないだろう。セックスにおける汗の匂いは決して不快なものではない。むしろそそられる。それは生と性がもたらす官能の一部なのだ。

 事に及ぶまでのプロセスも重要だ。彼らがどのように出会ってなぜ男と女の関係に発展したのか?
 童貞には知りようのないそれらのリアルを童貞が描けるとほざく論理が理解できない。

 麗奈は……自分の知るリアルに飽き足らずに、さらなる飛躍を求めている。自分の世界線の拡張と拡大を図ろうとしているのだ。私はそれを理解していながら、愚かにも嫉妬に屈し、麗奈の意志を否定した。冷静になった今なら己の未熟さがわかる。

「霧山先生はいつも冷静で、論理のかたまりだと思ってた」
「そんなことはないさ。私とて男だ。感情は揺らぎ、理性を揺るがすのだよ」

 ささやいた麗奈へ、言い訳がましい言い訳をする。

「でもね。嬉しかったです」
「なにがだ」
「やきもちを焼いてくれたのが嬉しい」
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