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Blue
第2章 ブルーの私
10秒ほど至近距離で向かい合いました

そして彼の目を捉えたまま、左手を伸ばし、彼の頬を包みました

「ずっと私を見てたよね」

彼は反応できないまま
まるで彫刻のように動きません

頬に当てた親指を動かし

「この目で」

と言ったところで、彫刻の目から、何故か涙が溢れてきました
カラダも表情も動かさず、
涙が溢れ、私の親指を濡らしました

「もっと見たくて、ついてきてしまったの?」

彼ははじめて言葉を発しました

「はい」

澄んだ いい声
もっと聞きたい声

「どうして泣いてるの?」

彼は まだ涙を流しながら

「わからない、、、わからないけど、、、もし今、フェルメールがいたら、あなたを描くと思って、、、」

親指にまた彼の涙が伝います

「フェルメールが好きなの?」

「はい。フェルメールの画集を見ていたら、貴方が前を歩いていきました」

ピッタリした胸や腰やおしりではなく、マスクとニットのブルーが目に止まり、目を離せなくなったということだったようです
有名な青いターバンを巻いた少女の絵だけでなく、フェルメールはブルーを身につけた女性を描いています

「もっと見たくて、ついてきたの?」

彫刻は、ようやく動き、小さく頷きました
私は、彼を固まらせた視線に、ほんの少しの慈悲を含ませ言いました

「泣かなくてもいいから」
「もっと見られてあげるから」

そして喜びのような涙を最後に一滴流し、少し安堵の表情になりました

目と心を奪われ、ブルーの私の他に何も見えない世界に入ってしまったところで、そのブルーが目の前まで近づいてきて、受け入れてくれたような、少し安堵の表情になりました

彼の目をまっすぐ見たまま、彼の頬から手を離し、ブルーのネイルの親指についた彼の涙を、ゆっくり舌をだして舐めました。
再び固まって彫刻の美少年になったところで、外した青いマスクを再びして、

「おいで」

と声をかけて背を向け、歩き始めました
3秒たって、固まっていた彼が駆けてくる音が聞こえましたが、2mぐらい後で同じ速さで歩き、横に並ばすに後ろをついてきました。
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