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Blue
第3章 ブルーのアルピーヌ
日比谷公園の地下駐車場の階段を降り、ずっと振り返らずにクルマに向かい、
「乗って」
と声をかけ、鍵穴にカギを差しドアを開け乗り込み、中から助手席のドアを開きました。
クルマ好きだった父が持っていた3台のうち、処分しないで私が乗ることにした私より3歳年上のブルーのアルピーヌ
父の馴染みだった整備工場で、ずっとしっかりメンテナンスを続けていますから、キーを回すと30代の元気が有り余った気持ち良い音で、背中に積んだV6エンジンが目覚めます
地下駐車場なので、カパッと開くリトラクタブルライトを点灯します
スロープを上がって左折し、日比谷公園をぐるっと回り、愛宕山を過ぎても、私も彼も何も話さず、彼は景色よりも、マニュアルシフトを操作する、私のブルーのネイルの左手を見ていました
東京プリンス前を右折したところで、
「ほら、東京タワー」
と右上を指差すと、思わず、わぁ、という声が出ました
無口なのに、東京タワーに声を出すので
「キミはどこから来たの?」
行き先も何も話さず、ただ「もっと見られてあげる」とクルマに乗せられた若者に、いきなり尋ねました
「信州、安曇野です」
おおよその位置はわかるけど、学生の頃大勢で白馬にスノボに行った帰りに、私と女友達は、水玉で有名なアーチストの作品がある松本の美術館に寄って、特急あずさで帰るために通ってもらった記憶がある程度でした
「乗って」
と声をかけ、鍵穴にカギを差しドアを開け乗り込み、中から助手席のドアを開きました。
クルマ好きだった父が持っていた3台のうち、処分しないで私が乗ることにした私より3歳年上のブルーのアルピーヌ
父の馴染みだった整備工場で、ずっとしっかりメンテナンスを続けていますから、キーを回すと30代の元気が有り余った気持ち良い音で、背中に積んだV6エンジンが目覚めます
地下駐車場なので、カパッと開くリトラクタブルライトを点灯します
スロープを上がって左折し、日比谷公園をぐるっと回り、愛宕山を過ぎても、私も彼も何も話さず、彼は景色よりも、マニュアルシフトを操作する、私のブルーのネイルの左手を見ていました
東京プリンス前を右折したところで、
「ほら、東京タワー」
と右上を指差すと、思わず、わぁ、という声が出ました
無口なのに、東京タワーに声を出すので
「キミはどこから来たの?」
行き先も何も話さず、ただ「もっと見られてあげる」とクルマに乗せられた若者に、いきなり尋ねました
「信州、安曇野です」
おおよその位置はわかるけど、学生の頃大勢で白馬にスノボに行った帰りに、私と女友達は、水玉で有名なアーチストの作品がある松本の美術館に寄って、特急あずさで帰るために通ってもらった記憶がある程度でした