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Blue
第3章 ブルーのアルピーヌ
「どんなところ?」

「北アルプスが近くに見えます」

澄んだいい声で答えてきます

「山が好きなの?」

少し考えて、いい声で

「ずっとある景色です。好きかどうかではなく、そこにある景色です」

なるほど
尋問のようになってきました

「東京では何をしてるの?」

「今年の春から美大に」

そうか
だからフェルメールなのか

それからまた何も話さず、私の左手のマニュアルシフトを見つめる視線
白金から目黒を抜け、環七を過ぎて右に入り、程なく私の住むマンション

私に持ち帰りされた彼は、立体駐車場にしまわれるブルーのアルピーヌをずっと見ていました

「おいで」

また私が歩きだすと、彼は日比谷公園より少し近くをついてきました
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