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心の中のガラスは砕けて散った
第3章 依頼
月曜日

ドアがノックされ中年の男性が入って来た、
出迎えた藤堂を値踏みする様に見て、促された
椅子に座る 

「 近藤様、今回はどのような事で? 」
藤堂は桃花が出して来た珈琲カップを見つめる
靖之に声を掛けた

「 家内の事を・・・調べて頂きたくて 」
カップを見ていた顔が上がり藤堂に視線を合わせて来る

「 浮気をお疑いですか? 」
靖之が頷いた

「 疑う様に成ったのは、何時頃から、? 」
靖之は、少し間を開け

「 昨年の終わり、11月頃から 」
目に怒りが籠り吐き出すように言って来る

「 一緒にお住まいですか? 」
靖之が首を振り

「 昨年の6月から平日は単身で週末だけ家に 」
藤堂は頷いて

「 奥様の行動調査、お引き受け出来ますが
  料金の事を先に説明させて頂きます 」

靖之が胸のポケットから封筒を出してテーブルに置き

「 家内が何時、相手と会っているのか 相手も分かりません
  事前にお仕事の運び方等を調べて、料金もある程度
  把握してます、此処に120万有ります 1か月
  家内を尾行して頂きたい 土曜日曜、私が家に居るので
  月曜から金曜、明日から1か月、お願いできますか 」

藤堂は目の前の封筒を見て、頭の中で数字を弾いた
1日6万、尾行だけ、不倫相手を見つけて身上調査
普通藤堂の処で依頼を受けた時、1日8万を設定してる

桃花がパテーションの隅から顔を出して、声を出さず
受けて、受けてと口を動かすのを見て 藤堂は頷いた
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