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心の中のガラスは砕けて散った
第3章 依頼
10時を過ぎた頃 白い中古車が空き家の前に止まり
庭先から顔を覗かせた藤堂が 走り込む様に車に乗り込むと
車は事務所に向かった

「 どうでした? 」
体を竦める藤堂に 桃花が声を掛けた

「 ご主人からの 電話だけ 」
吹き出し口からの暖気に手を翳した藤堂が答へ

「 明後日受信機、入荷しますから明日一日 我慢してください 」

火曜日

朝からの細かな雨は 霧のカーテンの様に視界を塞ぐ中
由美が玄関を開けた姿を見て、藤堂は歩き始め 10メーター程
距離を開け バス停に向かう 路肩に止めたバイクに跨る
安奈に軽く手を上げ バスに乗り込み何時もの様に
駅前から送迎バスに乗り込み、工場へ向かう後ろを安奈の
バイクが追う姿を見て、藤堂は事務所へ戻りソファーに横に
成り、携帯を頭の上に置き目を閉じた

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