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第3章 依頼

笑い顔を見せ森川がスラックスを引き上げベルトを止め
運転席に座り、エンジンを掛け　由美が助手席に座り
シートベルトを締めるのを見て　走りだした

「　早いけど　飯にするか？　」

街道沿いの蕎麦屋を見つけ森川は駐車場へ
車を乗り入れた、

・・・えっ・・・えー・・・・・

由美はコートの前を合わせ、駐車場に視線を這わせ
ランチ前の余り止まって居ない駐車場を見て
コートのボタンを掛け慌てて車を降り、先を歩く
森川の後を付き店内に足を踏み入れ、案内された席に
座り森川を見て、

「　やだ！！　恥ずかしいよ　」
前のめりに成り小声で森山に言う　
森川の口角が上がり、

「　ボタン二つ位外すか　」
嫌らしい目で言って来た　由美はコートの
前を掴み首を振った

「　下のボタン　二つ外して　！！　」
見据える様な森川の目を見て由美は足元の
ボタンを二つ外し　コートの前を押さえた
ドアの空く音に入り口に目を向けると
中年のサラリーマンと若い娘が　森川達の
後方の席に座り、顔を寄せ合う様にメニューを
覗き込むのを由美はコートの合わせを押さえ乍ら
見ていた

・・・お待たせいたしました・・・・

係がお盆を二つテーブルに置く音に
慌てて視線を戻し、お盆に乗る割り箸を
取り、こんもりと盛られた蕎麦に箸を入れた　

・・・ダメですよ　写真何て　・・・・

可愛らしい女の娘の声に顔を上げると　斜め前の
中年の男性が娘にカメラを向けている　由美は
食べ終わった蕎麦汁に　蕎麦湯を入れ一口飲み
立ち上がった　森川の後を付き駐車場へ出て
止めて有る車に乗り込み　コートのボタンを外した

「　店の中でも　外してたら良かったのに　」
股間を弄りながら森川は運転を続け　何時も入る
ラブホテルの駐車場に車を乗り入れた