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心の中のガラスは砕けて散った
第3章 依頼
靖之は 義父に眼を合わせ、小さく首を振り

「 私も 興信所に依頼した後、思い直した事も
  有りました、薄々感じていたまま、終わらせても
  良いかと、考えた事も有ります 
  やはり事実を見せられて
  このまま添い続ける事は無理だと思いまして
  昨日お電話入れさせて頂いたのです 」

藤堂から渡された大判の封筒を由美の両親へ差し出す 
そのファイルには コートを着て
森川の腕を取りラブホテルの入り口を入る姿と 出て来る
姿が、清澄公園の展望台の階段を腕を組んで登って行く
後姿と、腕を組んで降りてくる姿、車の後部座席で
キスをする森川と由美の写真が添付されていた

義両親は最後に添付された写真を見て 慌てた様に
ファイルを閉じ、深い溜息を吐き出すと、靖之に
深く頭を下げ立ち上がると 由美を睨み

「 帰るぞ!! 」

吐き出す様に父親は言い 靖之と靖之の父親に
頭を下げリビングを出て行った 由美の母親が
由美を立たせ玄関へ向かう 
由美の母親は出口で振り返り 深く頭を下げ続け
靖之は傍に近寄り 肩に手を置いた 顔を上げた
義母の皺の有る顔は涙で濡れ、取り出したハンカチで
目を拭ったまま玄関を出て、由美を乗せた車は
近藤邸を後に走り去って行った

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