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隷落の檻・淫獣の島 ~姦獄に堕ちた被虐の未亡人~
第3章 謀殺
龍平と翔平、壮一、純茂の四人が前を歩く。

後ろを純孝と悟、翔太の三人が歩く。悟と翔太は、満穂子に近いが、純孝、純茂との関係は悪くなかった。単に、二人と仲良くすることで神社に顔を出して、満穂子の顔を見たいだけなのかもしれないが。

冷静に早苗は分析していた。

悟と翔太に、最近、焦りがあるようにも、早苗は感じ始めていた。32歳。漁師と言えば聞こえがいいが、パラサイト。親と一緒に漁をしているから漁師と名乗っている程度だ。憧れの満穂子とは親しいかもしれないが、既婚者の満穂子が二人と関係することはない。満穂子ほ、貞淑な女だ。となると、手に入ることはない。ただ、指をくわえて見ているしかない。

32歳の童貞・・・。早苗の様な女には、理解できなかった。立派な身体をしていて、純孝と純茂の話では、立派な逸物を持っているのに、それを使うこともない人生。気性も荒いところもあるのに、満穂子を押し倒すでもなく、唯唯諾諾として、満穂子の頼みを聞いて、礼を言われて喜ぶだけの二人。いじらしいと言えば、それまでだが、早苗の感覚では呆れるほど、悠長なことだった。

しかし、このところ、二人に焦りが見えていた。それに、昨年、厄払いを受けに来た二人が、巫女の格好で神事を手伝う満穂子の様子を見る目が切なさと苛立ちを含んでいるように、早苗には見えた。

そんな二人に早苗が声を掛けた。

「そんな目で見るものじゃないよ」

二人は恥じたように目を伏せた。

「わからなくもないけどね。満穂子のことが好きなんだろ」

早苗は笑いかけた。黙り込み、俯く二人。

「大の男が二人もいて、好きな女を手に入れられないなんて、情けないね」

早苗は小馬鹿にしたように嗤った。円座に胡坐をかいていた翔太の握り拳に力が入るのを見た。正座していた悟の膝の上に置かれた拳も指先が赤くなるほど力が入っていた。

それをチラッと確認した早苗は、

「それでも男かい。2人目ができないってどういうことか、考えてみなよ」

と、言い捨てて立ち去った。

厄除けの祈祷を終えて、帰宅する道すがら、悟と翔太は、話した。

「早苗さんは、何を言いたいんだ」

「ムカつくんだよ。あの女」

「嫁姑って仲が悪いんだろ」

「だからって、俺たちを嗾(けしか)けるってどういうつもりなんだよ」

「確かに2人目、できないよな」

浜で海を見ながら座った。
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