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隷落の檻・淫獣の島 ~姦獄に堕ちた被虐の未亡人~
第3章 謀殺
「そうだな。最近、フグの毒に当たるっていうのは、勝手に釣って、自分で処理して食べたっていう事例くらいで、免許のある正規料理屋で処理をしてものを食べて当たるって聞かんな」

現場が長い神代警部が白髪交じりの頭を掻いた。

「まずは、死因の特定だ。司法解剖すれば、わかるし、その際のフグの毒の量によっては、調理ミスなのか、混入されたのかもわかるだろ」

叩き上げの警部である神代警部が、同じ警部でもキャリアで30歳代と若く現場経験の少ない有馬警部を見た。頷く有馬警部。

「混入された?」

早苗が、神代警部に訊いた。

「可能性の話です。司法解剖してみないと何とも言えないですが、可能性が今のところはあるということです」

説明する神代警部。

「だったら、この女しかいない」

満穂子を睨む早苗。

「え?」

驚く満穂子。

「家にいたのは、この二人を除けば、満穂子と、純貞ちゃんと純恋ちゃんだけだろ。子供がそんなことをするはずもないし、できるのは、お前だけだ」

決めつけて睨む早苗。神崎警部補の調書を読んでいた有馬警部が、

「家族なら、やる気になれば、だれでも混入はできますよ」

と、笑った。

「そうですよ。やる気なれば。やる気のある人がいたとは思えないが」

神代警部は淡々と話した。

「ですね。殺してもメリットがない。デメリットばかりですから。早苗さん、これからどうします?宮司も禰宜もいない神社。立ち行きませんよ。純孝くんや純茂くんは、神職の経験もないし。早苗さんと満穂子さんの二人で巫女は間に合っても・・・」

神崎警部補が事情を説明した。早苗の顔色が変わった。そこまで考えていなかったのだろう。純英と純俊が死んでも、純孝や純茂がいれば、神社は存続できると思っていた。

「万が一、殺人事件とでもなれば、神域で、社家家族による殺人事件ですからね。神社は立ち行きませんよ」

有馬警部も同調していた。警察としては、事件化したくないというのが本音だった。しかも、それは温情だった。事件だとしても、事件にしない。事故で済むなら事故に済ませたい。

島の人たちの信仰の拠り所でもある神社を絶えさせるわけにはいかないということだろう。

実際、フグの毒に当たったは確実でも、処理のミスなのか、混入されたのか、判断は難しい。司法解剖と鑑識の結果、フグの毒以外によるものとなれば別だが。
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