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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第4章 恥辱の演奏会〜香緒里
明るいスポットライトのせいで、暗闇を背景に立ち尽くす彼女の白い裸身が生々しく浮かび上がっている。顔形がわからないように、目の部分だけを覆う黒いマスクを着けていた。黒いアイマスクと黒いパンプスが白い肌をことさらに強調し、手に持つヴァイオリンと弦が、アンマッチなのに妖しい淫靡な美を醸し出していた。
見られている。
こんな惨めな姿を見られている。
暗闇にいるであろう大勢の観客の視線を感じた。
恥ずかしくてたまらないのに。
嫌なのに…。
肌に突き刺さる視線を感じる。そのチリチリするような感覚は、さらに彼女の身体を熱くほてらせる。
「なにをしている。演奏を始めなさい」
いきなり、前方の暗闇から男の声が飛んできた。低いよく通る声だ。
「す、すみません」
厳しく叱責された彼女は、殴られたかのようにハッと後ずさり、狼狽えた声を漏らした。その哀れな姿をスポットライトが追う。
「女。もっと前に出なさい」
「……はい」
命じられたとおりに、一歩前に、元の位置に戻る。下げていたヴァイオリンを顎の下で軽く挟み、震える手で弦を構えた。
見られている。
こんな惨めな姿を見られている。
暗闇にいるであろう大勢の観客の視線を感じた。
恥ずかしくてたまらないのに。
嫌なのに…。
肌に突き刺さる視線を感じる。そのチリチリするような感覚は、さらに彼女の身体を熱くほてらせる。
「なにをしている。演奏を始めなさい」
いきなり、前方の暗闇から男の声が飛んできた。低いよく通る声だ。
「す、すみません」
厳しく叱責された彼女は、殴られたかのようにハッと後ずさり、狼狽えた声を漏らした。その哀れな姿をスポットライトが追う。
「女。もっと前に出なさい」
「……はい」
命じられたとおりに、一歩前に、元の位置に戻る。下げていたヴァイオリンを顎の下で軽く挟み、震える手で弦を構えた。