この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第5章 エリートOLは磔刑に処せられる〜緋美
命じられたとおりに背中を向けた。腕を首の後ろへ回し、束ねた髪を持ち上げる。露出した私の首にご主人さまが首輪を嵌めた。小さな鈴といくつも金属の輪が付いた幅の広い黒革の首輪だ。その輪の一つへ、やはり黒皮のリードが繋がれ、私は持ち上げていた髪を下ろした。
音もなく現れた黒服の男性スタッフが、脱いだ私の服とスーツケースをどこかへ持ち去った。
「では。行こうか」
腕の時計を見たご主人さまがリードを軽く引いた。
「はい。ご主人さま」
先に立って歩いて行くその後ろを、まるで犬のようにリードを引かれ、カツカツとハイヒールの踵を鳴らしながら背筋を伸ばしてついていく。
仄暗い廊下を歩き、ディナールームへ着いた。かなり広い。ディナールームというよりもレストランだ。真っ白なクロスが掛けられたテーブル席がいくつも並んでいる。客はまだ誰もいない。無人のテーブルの上にはキャンドルの小さな炎がゆらめいている。赤みがかったマホガニーの床と壁に、クラシカルなデザインのシャンデリアからの飴色の光が注いでいる。左手は全面が窓になっていた。窓の外は夕闇が迫る湖だ。
音もなく現れた黒服の男性スタッフが、脱いだ私の服とスーツケースをどこかへ持ち去った。
「では。行こうか」
腕の時計を見たご主人さまがリードを軽く引いた。
「はい。ご主人さま」
先に立って歩いて行くその後ろを、まるで犬のようにリードを引かれ、カツカツとハイヒールの踵を鳴らしながら背筋を伸ばしてついていく。
仄暗い廊下を歩き、ディナールームへ着いた。かなり広い。ディナールームというよりもレストランだ。真っ白なクロスが掛けられたテーブル席がいくつも並んでいる。客はまだ誰もいない。無人のテーブルの上にはキャンドルの小さな炎がゆらめいている。赤みがかったマホガニーの床と壁に、クラシカルなデザインのシャンデリアからの飴色の光が注いでいる。左手は全面が窓になっていた。窓の外は夕闇が迫る湖だ。