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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第6章 Mの目覚め〜香緒里
 慈愛に満ちた眼差しで、レディSが優しく言った。さらにその美しい人は、こうも言った。

「自分の性癖、嗜好を認めて受け入れること。拒否してもつらいだけ。受け入れてこそ解放されるのです」

 その静かな、しかし自信に満ちた言葉に彼女はすがった。レディSを信じ、自分を受けれた彼女は、湖畔に建つこの館へ、レディSが統括するCrime d'amourまで、長いあいだ抑圧していた秘めたる願望を叶え、彼女自身を解放するためにやって来たのだ。

 そして今、羞恥と屈辱に悶えながらも、妖しい胸の高鳴りを感じつつ、彼女は生まれたままの姿でステージに立っている。

 真っ直ぐな黒髪が白い背中の半ばまで覆い、くびれた腰と柔らかそうな丸い尻と、すらっと伸びた長い足をかすかに震わせながら立っていた。
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