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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第7章 晒される羞恥と屈辱〜緋美
彼らは皆、礼儀正しく、場をわきまえた、いわゆる社会的地位のある男たちだ。そして全員がサディスト。紳士でありながら真性のサディストという人種がこの世に存在するなんて、もしもレディSと巡り会わなかったならば、私は知らないままだっただろう。心の奥に秘め隠してした被虐願望に苦しみながら、自分自身を誤魔化しつつ、毎日を生きていたはずだ。
「綺麗な身体をしているね」
穏やかなバリトンボイスが耳をかすめ、私はハッと我に返った。話しかけられたら返事をしなければならない。礼儀正しくだ。なにをされても大声で叫んだり悲鳴を上げたりしてはいけないと規定されている。とはいえ「磔刑の女(私のことだ)」に触れてはならないという男たち側のルールが存在するから、身動きできない私に触れてくる人はいなかった。
「ありがとうございます」
見えないバリトンボイスの男性に向かって答えた。けれどすでにその人はすでに行ってしまったらしい。
「きみはいくつかな。何歳なんだい」
「今年で二十八になります」
別の声に答える。さっきのバリトンの男性よりも年配に思えた。
「ほう。よいね。ここは初めてかい」
「三回目です」
「綺麗な身体をしているね」
穏やかなバリトンボイスが耳をかすめ、私はハッと我に返った。話しかけられたら返事をしなければならない。礼儀正しくだ。なにをされても大声で叫んだり悲鳴を上げたりしてはいけないと規定されている。とはいえ「磔刑の女(私のことだ)」に触れてはならないという男たち側のルールが存在するから、身動きできない私に触れてくる人はいなかった。
「ありがとうございます」
見えないバリトンボイスの男性に向かって答えた。けれどすでにその人はすでに行ってしまったらしい。
「きみはいくつかな。何歳なんだい」
「今年で二十八になります」
別の声に答える。さっきのバリトンの男性よりも年配に思えた。
「ほう。よいね。ここは初めてかい」
「三回目です」