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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第10章 被虐の快感〜緋美 主従契約の誘惑
飴色の重厚なドア。目の高さに、拳大のリングを咥えた恐ろしげなガーゴイルの顔が突き出している。ガーゴイルではなく悪魔かもしれない。どちらでもいい。その無骨なアイアン製のドアノッカーを叩く。ゴンゴンという重い音が響く。
「四宮さま。リコリスが参りました」
ドアの前に、背筋を伸ばして真っ直ぐに、顎を引いて立ち、呼びかける。
「入りなさい」
ドア横の小さなスピーカーから声がした。汗ばんだ手で真鍮のドアノブを握り、そうっと押し開ける。フッとオリエンタルな香りがした。香が焚かれている。
「四宮さま。リコリスが参りました」
ドアの前に、背筋を伸ばして真っ直ぐに、顎を引いて立ち、呼びかける。
「入りなさい」
ドア横の小さなスピーカーから声がした。汗ばんだ手で真鍮のドアノブを握り、そうっと押し開ける。フッとオリエンタルな香りがした。香が焚かれている。