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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第10章 被虐の快感〜緋美 主従契約の誘惑
広い部屋だ。天井が高い。床には毛足の長いダークレッドの絨毯が敷かれ、同系色の羽目板が並べられた壁……深い艶は、ローズウッドだと聞いていた。大理石のマントルピースを備えた暖炉もある。まだ薪が焚べられていないが、冬になれば活躍するはずだ。臙脂色のベロア地のソファーがいくつか。アールデコの意匠のウォールランプと背の高いスタンドライト、この豪奢な部屋に似合うはずのシャンデリアは無い。高い天井はフラットだった。照度不足を補うためだろう、天井の各所にダウンライトが埋め込まれており、贅を尽くしたこの部屋を控えめな明るさで照らしている。
似合わないといえば、壁に何本もの鞭がかけられていた。バラ鞭に乗馬用の鞭や、板状のパドルもある。さらに部屋の奥に、磔刑のための大きなX字が立っていて、そのあたりの天井から、先端に鉄の輪や鉤が付いた数本の鎖が下がっていた。ロープを通すための大小の滑車もある。もちろんその用途は決まっている。まるで拷問部屋のようなその様相に、私のなかで、妖しいうねりが騒ぎ出す。
この豪奢な部屋はゲストルームだ。ゲストたちの快適な滞在のための、さらにプライベートなプレイルームでもある。
似合わないといえば、壁に何本もの鞭がかけられていた。バラ鞭に乗馬用の鞭や、板状のパドルもある。さらに部屋の奥に、磔刑のための大きなX字が立っていて、そのあたりの天井から、先端に鉄の輪や鉤が付いた数本の鎖が下がっていた。ロープを通すための大小の滑車もある。もちろんその用途は決まっている。まるで拷問部屋のようなその様相に、私のなかで、妖しいうねりが騒ぎ出す。
この豪奢な部屋はゲストルームだ。ゲストたちの快適な滞在のための、さらにプライベートなプレイルームでもある。