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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第11章 被虐の快感〜緋美 サディストの顔
男性と二人きりの部屋の中で、見られながら服を脱ぐのを初めてではないけれど、それと今のこの状況はまったく違う。ベッドは私からは遠く、部屋の奥のあり、相手の男性はきちんと服を着たまま、悠然と足を組んでソファーに座り、ジッと私を見ている。
緊張と恥ずかしさから震えている指で、ワンピースの前のボタンを上から一つずつ外していく。喉がカラカラに乾いている。
「顔を見せてくれる気になったかい」
「……えっ」
いきなり聞かれて驚いた。しつこい人だ、と思ったが、不愉快な気持ちはしない。そういえば、ゲストの男性とこんな風に一対一で話すのは初めてだ。緊張のために固くなっている私とは違い、ご主人さま……四宮教授はくつろいでいる。慣れている感じだ。
「どうだい」
落ち着いた低い声で重ねて聞かれた。
「申し訳ございません」
ボタンを外す手を止めずに、気持ちを落ち着かせながら答える。
「なぜリコリスなのかな」
「……はい?」
「磔刑のきみへ名を尋ねたら、きみは思案してからリコリスと言った。リコリス……ヒガンバナが好きなのかな」
緊張と恥ずかしさから震えている指で、ワンピースの前のボタンを上から一つずつ外していく。喉がカラカラに乾いている。
「顔を見せてくれる気になったかい」
「……えっ」
いきなり聞かれて驚いた。しつこい人だ、と思ったが、不愉快な気持ちはしない。そういえば、ゲストの男性とこんな風に一対一で話すのは初めてだ。緊張のために固くなっている私とは違い、ご主人さま……四宮教授はくつろいでいる。慣れている感じだ。
「どうだい」
落ち着いた低い声で重ねて聞かれた。
「申し訳ございません」
ボタンを外す手を止めずに、気持ちを落ち着かせながら答える。
「なぜリコリスなのかな」
「……はい?」
「磔刑のきみへ名を尋ねたら、きみは思案してからリコリスと言った。リコリス……ヒガンバナが好きなのかな」