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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第11章 被虐の快感〜緋美 サディストの顔
聞かれても、緋美(あけみ)の名の由来になった花だから、とは答えたくない。
「そうです。好きなんです」
だから肯定してみせた。
ボタンをすべて外したワンピースの、はだけた前を手で押さえ、私はそこで固まってしまった。ワンピースを脱ぐ勇気が出ない。支配人の香山さんの前では裸になれるのに。なぜかたまらなく恥ずかしい。けれど……身を焼く羞恥は私にとって快感でもある。
「磔刑のきみはとても美しかった。たまらなくそそられた」
「は、はい?」
唐突な話題の展開に面食らった私は、またも間抜けな返事をした。
「ありがとうございます」
礼を言ってから、もしやと気がついた。この人は……私がリラックスできるように話しかけているのではないか?
「きみを責めたらどんな声で啼くだろう。そのなめらかな肌に鞭を振い、真っ赤に腫れた痕跡を刻みたいよ」
熱のこもったサディストの口説き文句に、私のマゾヒズムがドクンとうずく。からだが熱くなる。
「お好きになさってくださいませ。ご主人さま」
脱いだワンピースを床に落とし、答えた私の声は、自分でわかるほどに、淫らな期待に甘く濡れている。
……どうぞお望みどおりに。今夜の私はあなたの奴隷だから。
「そうです。好きなんです」
だから肯定してみせた。
ボタンをすべて外したワンピースの、はだけた前を手で押さえ、私はそこで固まってしまった。ワンピースを脱ぐ勇気が出ない。支配人の香山さんの前では裸になれるのに。なぜかたまらなく恥ずかしい。けれど……身を焼く羞恥は私にとって快感でもある。
「磔刑のきみはとても美しかった。たまらなくそそられた」
「は、はい?」
唐突な話題の展開に面食らった私は、またも間抜けな返事をした。
「ありがとうございます」
礼を言ってから、もしやと気がついた。この人は……私がリラックスできるように話しかけているのではないか?
「きみを責めたらどんな声で啼くだろう。そのなめらかな肌に鞭を振い、真っ赤に腫れた痕跡を刻みたいよ」
熱のこもったサディストの口説き文句に、私のマゾヒズムがドクンとうずく。からだが熱くなる。
「お好きになさってくださいませ。ご主人さま」
脱いだワンピースを床に落とし、答えた私の声は、自分でわかるほどに、淫らな期待に甘く濡れている。
……どうぞお望みどおりに。今夜の私はあなたの奴隷だから。