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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第13章 被虐の快感〜緋美 鞭打たれる柔肌
 そばまで歩み寄った私の両腕に、手首から肘のあたりまで、幾重にもロープが巻きついた。天井から下がっている二本の鎖、そのうちの一本の先端で揺れているフックが、手首に巻かれたロープの輪に通される。もう一本の鎖を握ったご主人さまがグイッと引くと、ガラガラと音を立てて天井の滑車が回り、私の縛られた両腕が上に引っ張られていった。

 これ以上は無理なほどに私の腕が上に伸びた。肩の関節がきしむ。痛くはないけれど、できるだけ楽なように背筋を伸ばして立つ。

 引いた鎖の端を、ご主人さまは、太い柱から飛び出している頑丈そうな鉄の棒に引っ掛けて留めた。壁に掛かっている鞭を持って戻ってくる。皮紐が束になったバラ鞭だ。

「鞭の味は知ってるか?リコリス」
「……はい。ご主人さま」
「ほう。それなら……」

 吊るされている私の後ろへご主人さまが…次の瞬間、背中を打たれた。

「あうっ!」
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