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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第14章 被虐の快感〜緋美 縄酔いと放置プレイ
 息が苦しい。
 その息苦しさが心地よい。
 惨めに縛られたからだが熱い。

 身じろぎすると、鞭打たれたダメージが残っている肌に縄が食い込んでくる。痛い……けれど、今の私にはその痛みすらも……。

「おまえの顔を見たい。被虐の官能にとろけているおまえの顔を見せろ」

 汗で湿った髪を掴まれ、顔を覗き込まれた。

「ああ……許して……ください」

 ため息混じりに弱々しく拒否する。

「今のおまえはなにもできない。こんな風に縛られているのだからな」

 縄のあいだから突き出している乳房を、鷲掴みに強く揉みしだかれて、痛みと快感に喘ぐ。

「そのマスクをむしり取るのは簡単だ。取ってやろうか」

 強引な押しに決心が揺らいだ。

 この人に素顔を知られたとしても、だからどうだというのだろう。私は有名人ではないし、だから……。

「……ご主人さま」

 Yesと言いかけてから、寸前で思いとどまる。

「やはり……申し訳ありません。お許しください」
「私に逆らうのか?」

 怒気を含んだ声に恐怖で震え上がりながらも、

「ご主人さまを信じていますから」
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