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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第18章 エピローグ〜それぞれの日常へ
「了解いたしました。お帰りになる前に、いつものように問診を行います。こちらへどうぞ」

 料金システムはカード決済の前払いなので、会計の手続きは無い。カウンターの奥にある部屋へ通された。

 問診室と読んでいるその小部屋は、ビジネスライクなシンプルな事務机とその上のノートパソコン、それに椅子が二脚あるだけ。そう。小さなクリニックの診療室に雰囲気がそっくりだった。

「Frauのプレイの内容は?」
「鞭です。バラ鞭で打たれました」

 聞かれて正直に答えた。

「ふむ。見せてください」
「はい」

 ブラウスのボタンを外し、脱いだ。

 再び「ふむ」と言い、鞭の跡に軽く触れてくる。

「後ろを向いて。背中を見せて」
「はい」

 後ろを向く。まるで医師から診察を受けているみたいだ。まあ、この人は医師だから。
 
「痛みますか?」
「少しだけ。でも自分で望んだことですから」
「鬱血が見られるが、外傷はない。四宮氏は手練れだからね」

 うなずく。確かに。
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