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コンビニバイトの男の子
第2章 落とし物
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そのやり取りの後、食べ掛けの焼き菓子をお皿に戻し、悠希が黙ってしまいました。何か言いたそうで、でも言えない、そんな雰囲気が伝わってきます。
(なんか、悪いこと訊いちゃったかな)
そう思いましたが、雰囲気を変えるいい話題が浮かびません。
焼き菓子の甘い香りが薄らぎ、微かに掛け時計の秒針の音だけが聞こえています。
沈黙に耐えられなくなった萩子が、とにかく何か話し掛けようと息を吸ったとき、突然悠希が頭を下げました。
「ごめんなさい!実は、嘘ついていました」
「え?嘘?」
びっくりした萩子が訊き返します。
「・・・はい。偶然この家に入るところを見たと言いましたが、嘘なんです。本当は駅前で見かけて、萩子さんの住んでいるところを知りたくて、この家に入るまで後をつけていました」
「後をつけた?」
「まるでストーカーですよね。ごめんなさい」
「ストーカーって」
目の前にいる悠希と、”ストーカー”という言葉がまったく結びつきませんでした。
「ねえ悠希くん、何か理由があるんでしょ?よかったら教えてもらえないかな?」
萩子が、優しい声で問い掛けます。
悠希は顔を伏せたまま、食べ掛けの焼き菓子を置いたお皿を見つめて黙っていましたが、やがて、
「来月の春休み、彼女から二人だけの泊まりの旅行に誘われているんです」
と話し始めました。
「泊まりで、ということはつまり・・・、その・・・、セックスを、することになると思うんです」
(セックス!)
悠希から発せられた、思いもしなかった単語に、萩子はどきっとします。
「でも、僕はその経験が無いから、上手くできる自信が無くて・・・」
「そ、そんなことは気にしなくても」
「それに、大学生なのに経験が無いことで彼女に嗤われるかもなんて、最近そんなことばかり考えてしまって」
「悠希くん・・・」
「・・・もし、彼女との旅行の前に経験できたら、その不安も無くなるんじゃないかと思うんです」
そう言うと、悠希はゆっくり顔を上げ、真剣な目で萩子を見つめました。
「萩子さん。僕の・・・、初めての人になってもらえませんか?」
「なっ!!」
突然のお願いに驚く萩子に、更に言葉を続けます。
「僕に、セックスを教えてください」
(なんか、悪いこと訊いちゃったかな)
そう思いましたが、雰囲気を変えるいい話題が浮かびません。
焼き菓子の甘い香りが薄らぎ、微かに掛け時計の秒針の音だけが聞こえています。
沈黙に耐えられなくなった萩子が、とにかく何か話し掛けようと息を吸ったとき、突然悠希が頭を下げました。
「ごめんなさい!実は、嘘ついていました」
「え?嘘?」
びっくりした萩子が訊き返します。
「・・・はい。偶然この家に入るところを見たと言いましたが、嘘なんです。本当は駅前で見かけて、萩子さんの住んでいるところを知りたくて、この家に入るまで後をつけていました」
「後をつけた?」
「まるでストーカーですよね。ごめんなさい」
「ストーカーって」
目の前にいる悠希と、”ストーカー”という言葉がまったく結びつきませんでした。
「ねえ悠希くん、何か理由があるんでしょ?よかったら教えてもらえないかな?」
萩子が、優しい声で問い掛けます。
悠希は顔を伏せたまま、食べ掛けの焼き菓子を置いたお皿を見つめて黙っていましたが、やがて、
「来月の春休み、彼女から二人だけの泊まりの旅行に誘われているんです」
と話し始めました。
「泊まりで、ということはつまり・・・、その・・・、セックスを、することになると思うんです」
(セックス!)
悠希から発せられた、思いもしなかった単語に、萩子はどきっとします。
「でも、僕はその経験が無いから、上手くできる自信が無くて・・・」
「そ、そんなことは気にしなくても」
「それに、大学生なのに経験が無いことで彼女に嗤われるかもなんて、最近そんなことばかり考えてしまって」
「悠希くん・・・」
「・・・もし、彼女との旅行の前に経験できたら、その不安も無くなるんじゃないかと思うんです」
そう言うと、悠希はゆっくり顔を上げ、真剣な目で萩子を見つめました。
「萩子さん。僕の・・・、初めての人になってもらえませんか?」
「なっ!!」
突然のお願いに驚く萩子に、更に言葉を続けます。
「僕に、セックスを教えてください」
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