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コンビニバイトの男の子
第5章 誕生パーティー

【2】
萩子がリビングのソファに座って本を読んでいると、貴之がドアを開けて入ってきました。
「あれ?まだ起きてたんだ」
「はい。貴之さんは、お仕事終わりました?」
「う、うん。今夜はそろそろ寝ようかなと思って」
そう言って、貴之は冷蔵庫から飲みかけだったミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと、残りを飲み干します。
「シュウは何読んでるの?恋愛小説?」
「え、ええ。好きだった作家さんの小説がやっと文庫化されたので」
「そうなんだ。寝室で読んだらいいのに」
「もう少しで切りのいいところになるので。それに、明るいと貴之さんに悪いし」
「そっか。・・・じゃあ、僕は先に寝るね。夜ふかししないようにね」
「はい」
「おやすみ」
リビングを出ていく貴之を萩子は見送りました。そのままの姿勢で耳を澄ませ、階段を上りドアを開け閉めする音を確認すると、ほっとひと息つきます。
(これで、貴之さんはもう下りてこないはず)
読みかけの本に栞を挟んでテーブルに置き、スマートフォンを手に取りました。ロック画面に表示された時刻が目に入ります。
(もうすぐ約束した時間ね。でもすぐに送ると、まるで待っていたように思われちゃうかも知れないから、ちょっとだけ遅らそうかな・・・)
ロックを解除してメッセージアプリを開くと、昼間やり取りしたままだった会話の画面が表示されます。
(あっ、いつもの癖で、アプリ終了してなかったんだ。気を付けないと)
そこには、ふたりの簡単なメッセージがありました。
《鮎川:よろしくお願いします》
《萩子:はい》
萩子は、昼間の悠希との出来事を思い出しました。
萩子がリビングのソファに座って本を読んでいると、貴之がドアを開けて入ってきました。
「あれ?まだ起きてたんだ」
「はい。貴之さんは、お仕事終わりました?」
「う、うん。今夜はそろそろ寝ようかなと思って」
そう言って、貴之は冷蔵庫から飲みかけだったミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと、残りを飲み干します。
「シュウは何読んでるの?恋愛小説?」
「え、ええ。好きだった作家さんの小説がやっと文庫化されたので」
「そうなんだ。寝室で読んだらいいのに」
「もう少しで切りのいいところになるので。それに、明るいと貴之さんに悪いし」
「そっか。・・・じゃあ、僕は先に寝るね。夜ふかししないようにね」
「はい」
「おやすみ」
リビングを出ていく貴之を萩子は見送りました。そのままの姿勢で耳を澄ませ、階段を上りドアを開け閉めする音を確認すると、ほっとひと息つきます。
(これで、貴之さんはもう下りてこないはず)
読みかけの本に栞を挟んでテーブルに置き、スマートフォンを手に取りました。ロック画面に表示された時刻が目に入ります。
(もうすぐ約束した時間ね。でもすぐに送ると、まるで待っていたように思われちゃうかも知れないから、ちょっとだけ遅らそうかな・・・)
ロックを解除してメッセージアプリを開くと、昼間やり取りしたままだった会話の画面が表示されます。
(あっ、いつもの癖で、アプリ終了してなかったんだ。気を付けないと)
そこには、ふたりの簡単なメッセージがありました。
《鮎川:よろしくお願いします》
《萩子:はい》
萩子は、昼間の悠希との出来事を思い出しました。

