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コンビニバイトの男の子
第3章 お土産
先を即されて、悠希が肩に置いた手に力を込めて萩子を抱き寄せました。お互いの顔が近づきます。萩子はキスされると思い目を閉じようとしましたが、悠希はそのままもう片方の腕を回して抱き締めると、耳元に口を寄せました。吐息が耳にかかり、背筋がぞわぞわっとします。
「好きだよ」
「えっ!な、何?」
今度は萩子があたふたしました。突然の“好き”という囁きに、心臓の鼓動が一気に早くなります。
「リコは最初に好きって言わないと、拗ねるので」
そう言うと、躰を離して、
「あっ、もしかして、これっておかしいですか?」
と心配そうに訊きました。
萩子は、思い返すとこんなふうに直接好意の言葉を言われたことが1度もなかったことに思い至ります。
(好きって、初めて言われた・・・)
自分に向けた言葉でないことはわかっていますが、どきどきは治まりません。
「う、ううん。言葉にして伝えるのはいいことよ」
「そうなんですね。よかった」
悠希が安堵した表情になりました。
「じゃあ、続けます」
「・・・うん」
悠希が萩子を抱き寄せ、もう1度顔を近づけてきました。萩子は目を閉じ、顔を上げます。そして、あの日玄関での別れ際以来、再びふたりの唇が重なりました。
(あぁ、悠希くんと、また・・・)
頭の中の再現とは違う、実際の唇の感触に萩子は感極まります。
悠希は短い時間で唇を離すと、顔の向きを変えてまたキスをして、直ぐに離しました。萩子は次のキスを待ちますが悠希の動きが無く、不審に思って目を開けます。目の前に自分を見つめる悠希がいました。
「ど、どうしたの?」
「すみません。萩子さんのキスする顔が見たくて」
「えっ?そ、それも、リコさんとの時にするの?」
「いいえ。これは今、見たくなったので」
そう言うと、悠希が笑顔になります。
「キス顔、かわいいです」
恥ずかしさで、萩子の顔が真っ赤になりました。
「もう!大人をからかって」
萩子が悠希の胸を叩きます。その力は弱く、本気で怒ってはいないことは悠希も気が付いています。
再び、さっきより力強く萩子を抱き寄せました。
ふたりの顔が近付き、至近距離で見つめ合います。
「萩子さん、今日も凄くいい匂いがします」
悠希の“今日も”という言葉で、萩子に前回を連想させました。
(これから、あの日のように・・・)
これからの出来事を期待している自分に気付きます。
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