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コンビニバイトの男の子
第2章 落とし物
(大学の後期試験でバイトを休むって言っていたのが1週間前かな?会うのはそれ以来になるんだ)
コンビニの制服を着た姿しか知らないので、普段着の悠希を見てちょっとドキッとします。
「寒い中ごめんなさい。わざわざ持ってきてもらって」
「いえ。これ、きっと大事なものじゃないかと思ったので」
言いながら悠希が差し出したのは、お気に入りのハンカチでした。
「1週間前、コンビニのドア近くに落とされて、すぐに渡そうとしたんですが、汚れてしまっていて。洗濯してからと思ったのですが、試験もあって遅くなってしまいました。すみません」
悠希が頭を下げます。
「そんな、洗濯までしてもらって、こちらこそすみません。次にコンビニに行った時でよかったのに」
「もしかしたら、探してるんじゃないかと思って。今日の午前中、駅前に行く途中で偶然この家に入るのを見かけて持ってきました。ほんと、遅くなってすみませんでした」
再び頭を下げる悠希に、萩子は改めて好感を持ちました。
そこで頭を上げた悠希が、くんくんと匂いを嗅ぎます。
「なんか美味しそうな匂いが・・・。あ、料理中だったんですね。お邪魔してすみません」
手渡してきたハンカチを受け取りながら、
「焼き菓子を作っているんです」
と伝えると、気が付いたら続けて、
「そうだ。お礼と言ってはなんですけど、もうすぐお茶するところだったので、よかったらどうですか?」
と言っていました。
「え?」
悠希がびっくりしています。
言った萩子も内心驚いていました。
(私、突然何言ってるの?)
しかし、言ってしまった以上後には引けません。
「寒い中歩いて来てくれたんですよね。温かいものをお出ししますので、ぜひ」
コンビニの制服を着た姿しか知らないので、普段着の悠希を見てちょっとドキッとします。
「寒い中ごめんなさい。わざわざ持ってきてもらって」
「いえ。これ、きっと大事なものじゃないかと思ったので」
言いながら悠希が差し出したのは、お気に入りのハンカチでした。
「1週間前、コンビニのドア近くに落とされて、すぐに渡そうとしたんですが、汚れてしまっていて。洗濯してからと思ったのですが、試験もあって遅くなってしまいました。すみません」
悠希が頭を下げます。
「そんな、洗濯までしてもらって、こちらこそすみません。次にコンビニに行った時でよかったのに」
「もしかしたら、探してるんじゃないかと思って。今日の午前中、駅前に行く途中で偶然この家に入るのを見かけて持ってきました。ほんと、遅くなってすみませんでした」
再び頭を下げる悠希に、萩子は改めて好感を持ちました。
そこで頭を上げた悠希が、くんくんと匂いを嗅ぎます。
「なんか美味しそうな匂いが・・・。あ、料理中だったんですね。お邪魔してすみません」
手渡してきたハンカチを受け取りながら、
「焼き菓子を作っているんです」
と伝えると、気が付いたら続けて、
「そうだ。お礼と言ってはなんですけど、もうすぐお茶するところだったので、よかったらどうですか?」
と言っていました。
「え?」
悠希がびっくりしています。
言った萩子も内心驚いていました。
(私、突然何言ってるの?)
しかし、言ってしまった以上後には引けません。
「寒い中歩いて来てくれたんですよね。温かいものをお出ししますので、ぜひ」