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コンビニバイトの男の子
第2章 落とし物
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「失礼します」
悠希が、萩子に続いてリビングに入りました。
テーブルに置いていた読み掛けの雑誌やリモコンを手早く片付けると、萩子は、
「ここに座って、ちょっと待ってて下さいね」
と悠希にソファに座るよう勧めて、キッチンに向かいお茶の用意を始めます。
「焼き菓子が出来上がるまでもう少しかかるので、先に紅茶をお出ししますね」
「ありがとうございます」
悠希は遠慮がちにソファに座り、ちらちらと辺りを見回しています。
そんな様子を見て萩子はくすっと笑いながら、紅茶を入れたティーカップをトレイに載せて悠希の向かいに座りました。
「どうぞ。お口に合うといいんですけど」
「いただきます」
悠希が紅茶を一口飲みます。
「美味しいです。それに、いい香りですね」
「お気に入りの紅茶なんです」
萩子はほっとして、一緒に紅茶を口にしました。
「すごく温まりました。ありがとうございます。ほんとは結構寒かったから、助かりました。えーと表札で、星野さん、ですよね?」
そういえば名前を伝える機会が無かったことに気が付きます。
「名前、言ってませんでしたね。星野萩子です」
「鮎川ハルキです」
「え?ユウキくん、じゃないの?」
名前がコンビニの名札から思っていた読み方と違っていたので、思わず萩子は訊き返しました。
「ユウキとよく間違えられるんですけど、ハルキなんです」
悠希はちょっと笑うと、テーブルに指で字を書くようにしながら説明しました。
「春生まれで、父は単純に”春生”にしたかったらしいんですけど、母が今の悠希に決めてしまって。なんか、好きな歌手の漢字を入れたかったらしいんです」
「あ、実は私の名前も、秋生まれにちなんでいるんです。父が秋の付く漢字に拘って、萩に子で萩子なんですよ」
萩子はそう告げながら、頭の中で悠希の名前を繰り返します。
(ハルキくん、なんだ・・・)
忘れていた幼少期の記憶が蘇ってきます。
「お互い名前の由来が似てますね」
そう言って笑う悠希に、萩子も笑顔を見せました。
「ほんとね」
悠希が、萩子に続いてリビングに入りました。
テーブルに置いていた読み掛けの雑誌やリモコンを手早く片付けると、萩子は、
「ここに座って、ちょっと待ってて下さいね」
と悠希にソファに座るよう勧めて、キッチンに向かいお茶の用意を始めます。
「焼き菓子が出来上がるまでもう少しかかるので、先に紅茶をお出ししますね」
「ありがとうございます」
悠希は遠慮がちにソファに座り、ちらちらと辺りを見回しています。
そんな様子を見て萩子はくすっと笑いながら、紅茶を入れたティーカップをトレイに載せて悠希の向かいに座りました。
「どうぞ。お口に合うといいんですけど」
「いただきます」
悠希が紅茶を一口飲みます。
「美味しいです。それに、いい香りですね」
「お気に入りの紅茶なんです」
萩子はほっとして、一緒に紅茶を口にしました。
「すごく温まりました。ありがとうございます。ほんとは結構寒かったから、助かりました。えーと表札で、星野さん、ですよね?」
そういえば名前を伝える機会が無かったことに気が付きます。
「名前、言ってませんでしたね。星野萩子です」
「鮎川ハルキです」
「え?ユウキくん、じゃないの?」
名前がコンビニの名札から思っていた読み方と違っていたので、思わず萩子は訊き返しました。
「ユウキとよく間違えられるんですけど、ハルキなんです」
悠希はちょっと笑うと、テーブルに指で字を書くようにしながら説明しました。
「春生まれで、父は単純に”春生”にしたかったらしいんですけど、母が今の悠希に決めてしまって。なんか、好きな歌手の漢字を入れたかったらしいんです」
「あ、実は私の名前も、秋生まれにちなんでいるんです。父が秋の付く漢字に拘って、萩に子で萩子なんですよ」
萩子はそう告げながら、頭の中で悠希の名前を繰り返します。
(ハルキくん、なんだ・・・)
忘れていた幼少期の記憶が蘇ってきます。
「お互い名前の由来が似てますね」
そう言って笑う悠希に、萩子も笑顔を見せました。
「ほんとね」
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