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コンビニバイトの男の子
第4章 食事会
【6】
萩子が予想していた時間より早く完成した夕食をダイニングテーブルに並べ終えると、ちょうどトイレから戻ってきた悠希に声を掛けました。
「悠希くん、おまたせ。こっちに座って」
「もう出来たんですか?」
促された椅子に座ると、目の前の料理に感嘆の声を上げます。
「うわーっ、すごい豪華ですね」
「そーお?おかずとか足りるかな?あ、ご飯はおかわりあるから気にしないでね」
「これで充分です。ありがとうございます」
萩子もいつも使ってる椅子に座りました。
「じゃあ、食べよっか」
「はい。いただきます」
悠希が礼儀正しく手を合わせてから食べ始めます。
「どう?味付け、口に合うかな」
気になって問い掛けた萩子に、悠希はすぐに応えました。
「美味しいです!家庭的な味って感じて、実家の味付けに似ています」
「そうなんだ」
「はい。あと、野菜もいっぱいでありがたいです。自分だと野菜ジュース飲むぐらいなので」
思っていた以上に好評で、萩子は嬉しくなります。
「よかったー。私も食べよ」
ここ最近は、貴之から帰宅時間がまちまちになるから夕食を先に食べといていいと言われていたため、平日は独りで食べていました。悠希が目の前で美味しい、美味しいと感動しながら食べる姿は新鮮で、それを共有しながらの食事に萩子は久しぶりの楽しさを感じます。
「うっ」
喉を詰まらせた悠希が、慌てて味噌汁で流し込みます。その姿に、萩子はくすくすと笑いました。
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