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女旅芸人衆の淫ら旅
第1章 第一章 医は妊術なり

さて、お瞭さんをなんとか説き伏せて
二人は日本に蘭方医学を広めるための旅に出ることにした。

行李(こうり)今で言う、竹や柳、籐などを編んでつくられた葛籠(つづらかご)でトランクのようなもの。それがひとつだけの良案の手荷物に対して、お瞭さんの荷物は行李(こうり)が三つも!

「おいおい、物見遊山の旅に出る訳じゃないんですよ」

荷物の多さに辟易(へきえき)しながら良案が文句をいうと、
「おなごは殿方と違って着替えの着物や腰巻きなど、たんと持っていかないと行けませんから」と口ごたえをする。
もっと荷物を少なくしろと注意すると、へそを曲げて旅立つのを渋る恐れがあるので、それらをひとつにくくりつけて良案が背負う事にした。
背負ってみて、意外と重いことに良案はこの先どうなることやらと不安になってしまった。

現代のように交通機関が発達しているわけでもなく、
荷物は背負って徒歩での移動になるのだから、良案は己の体力が続くのかと不安になる。
もとより運動に長(た)けているわけではなく、
学問一筋と言う良案なので、行李(こうり)を背負うと足元がフラフラする。

徒歩で薩摩を目指そうとしていたが、
なけなしの無駄遣いとは思いながらも長崎の出島から薩摩まで船で移動することにした。
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