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女旅芸人衆の淫ら旅
第9章 旅立ち~新たなステージへ

血相を変えて狼狽える良案を見て、お絹はクスクスと笑いながら旦那を見やって早く考えを伝えてあげなよと催促した。

「良案先生、案ずるな。
この宿の敷地内に物置としている草庵(そうあん=粗末な建物)がある。そこを整えて医学所(診療所)とするがよい」

「医学所?」

「これからは世の中がどんどん開いて行く。人の往来も盛んになるだろう。だからこちらから出向くのではない。患者に来てもらうようにするのだよ」

「来てもらう?」

「そう。来てもらうのだ。無論、歩けないような患者は往診する必要はあるが、ここに行けば医者が居るというだけで安心感を与えられるだろう」

それに、ここは温泉療養に来る者も多い。
口ききで先生の評判を聞けば多くの者が集うに違いない。
それに…医学を志す者も先生に学びたいと集うだろう。
どうだ?悪い話ではなかろう?

清吉の考えに目から鱗が取れた思いだった。
その通りだと思った。諸国漫遊せずとも来てもらえばいいのだ。
きっと蘭方医を志す者も現れるだろう。

「その話、ありがたく頂戴いたします」


清吉の考え通りに医学所「良案」は繁盛し、次から次へと患者が押し寄せた。
なかには医学を学びたいと遠方より集う若者もいた。

これからの良案の活躍は…
それは後ほどの話とすることにして、
本編はひとまずこれにておしまいとさせていただく。



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