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女旅芸人衆の淫ら旅
第6章 お瞭の縁談
パシッ!
お瞭を抱きしめようと伸ばした順之助の手を
地頭が激しく打ち付けた。
「お前には家老さまの次女である桔梗(ききょう)さまが嫁に来てもらうことが親同士で話がついておるのだ」
当時の家元制度では自由恋愛など憚(はばか)れる風潮であった。
お家(いえ)繁盛のために政略結婚が当たり前だったのだ。
当家の主からそのように言われて順之助は従うしかなかった。
「すまぬ…お瞭さん…婚姻の件は元服(げんぷく)前の童(わっぱ=子供)の戯れ言だと忘れてくれ」
家督制度ゆえに、家の主の言葉には逆らえない。
順之助は申し訳なさそうにお瞭に向かって頭を下げた。
「順之助さま、頭をあげてくださいまし、
私だって本当に嫁に貰っていただこうなんて思っていませんでしたわ、だって、考えてもみなさいな、私はあなたよりも一回りも年上なのよ」
当時も一つや二つ歳上の姉さん女房はいたが、
一回りも歳上の姉さん女房など前代未聞であった。

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