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女旅芸人衆の淫ら旅
第7章 出雲へ
延岡を発った旅芸人の一座は、皆、口数が少なく、黙々と大八車を押していた。
誰も皆、口を開けばお武家様の家督制度に文句が出そうで、わざと口をつぐんでいた。
とりわけ、地頭の小倅(こせがれ)から求愛されて、家長である父親の「ダメだ」の一言で引き裂かれたお瞭さんの気持ちを思うといたたまれなかった。
当の本人であるお瞭は普段以上に饒舌でつとめて明るく振る舞った。
「お瞭…無理をしなくていいんだよ
おなご(女)が意中の殿方と添い遂げる事が出来ないのがこの世の習わしなのだ。泣きたいときは大声で泣いた方が後々スッキリするぞ」
「いやだ、良案先生、何を言ってるの?
私があんなガキに心底惚れたとでも言うの?
可哀想だからちょいと筆下ろしをしてやっただけよ」
それに…
私は仮の姿とはいえ、先生と夫婦なんだからね。
誰かに言い寄られても最後は先生の元に帰って来なきゃいけないんだから
そう言って、海岸線の道沿いになると「ちょっと潮風にあたったくるわ」と一座から離れて、背を向けてポロポロと涙を流した。

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