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女旅芸人衆の淫ら旅
第3章 延岡へ

翌朝、茶屋のオヤジは未明から起き出して蕎麦を打ち、
座員の皆が起きる頃には温かい掛け蕎麦をご馳走してくれた。

「何から何まですみません…
あの、お蕎麦はおいくらでしょうか?
当座は持ち合わせが乏しく満足するお代を支払えないかもしれませんが…」

「代金?いらないよ、そんなものは」

オヤジはほとんど寝ていないのかと言うほど眼が充血している。
その割りには肌が昨日にも増して艶々していて、動きも俊敏で体力が有り余っているのではないかと思うほどにピンピンしている。
まるで、昨日、駆け込んで出会ったときとは別人のようだった。

「代金はいらないけどさ…
あんたら、延岡で興行を打つんだろ?
何日ぐらい滞在する予定だい?」

「土地を貸してくれるお方にもよりますが…
私どもは十日ほど興行を打ちたいと考えております」

「じゃあさ、蕎麦代と軒下を貸してやった礼金としてさ
この子をその間、うちで手伝わせてくれないかい?」

そう言うとオヤジはすごく親密そうにお加代の肩を抱いた。

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