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第2章 葬儀

「田所先生はお忙しい方ですから…うちのような小さな会社とは…」
と口角をやや上げ、フッと微笑み、謙遜する彼女の様子を田所は食い入るように見つめていた。

「驚きました…田所先生があの場にいらっしゃって…」と彼女は続けた。

田所は悩んだ。この彩芽という子にどこまで話してよいかを。

「彩花さんは大学時代の友人なんです…友人から連絡があって、参列させて頂いた次第です…」と当たり障りのない内容に止めた。

だが田所の好奇心が次の問いを止められなかった。

「もしや彩花さんは…あなたの…」と話し始めると
すぐに彩芽は「母です…」と話を紡いだ。

田所はやはり…という気持ちだった。そして微笑んだ。

「お母さんにそっくりですよ…立ち姿まで似ていて…ビックリしました…」

彩芽は「よく言われます…でも高校生の時に両親が離婚して…私は父方に引き取られたので…」

それを聞いて、田所は驚きの表情を彩芽に見せた。
「その後は母が再婚したので、なかなか会えなくなりましたけど…」