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バニーガールの穴の奥
第13章 ましゅまろと美術館

宇宙を飛んでいる羽の生えた
ウサギの絵は…、見る角度を
変えると海の底から…
月を見上げている様にも見えるし。
ウサギが宇宙を飛んでいる様にも
泳いでいる様にも、溺れている…
みたいな…感じにも…見えなくもない。
「…いや…俺だって…、そんな
美術が5だった訳じゃないし…、
芸術にそこまで明るくもねぇし…。
でも…、この絵には…メッセージ性を
感じると言うか……このウサギは
あの月に…行きたいけど…行けないのかなって
そんな…感じに…この絵のウサギは
……俺には見えるけど…な」
『そか…、ウサギ……可哀想って事?』
「どうだろな…?見えるのは
ウサギの後頭部だけだしな……、
顔が見える訳じゃないから…
ウサギが…どんな顔してるのか…
こっちからは…見えないからな…」
そう言って、ましゅまろが観ていた
羽の生えたウサギの絵に
俺は視線を戻した…。
俺が…その絵から視線を戻して
その近くの別の作品を
観に行こうとした時もまだ
ましゅまろはその絵の前に居て。
「その絵…気になるのか?」
『この絵、…売れると思う?』
「この絵を…売り物にするのか?
素人でも…絵の仕事が欲しいんだったら。
ジモティとかで空き店舗のシャッターに
絵を描いてくれる人を募集してたりするから
それで描かせて貰うとかは…どうだ?
自宅のガレージのシャッターに
お礼アリで絵を描いて欲しいとかって
募集してる人とか偶に居るからな…」

