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特別捜査官・優子
第1章 遮断
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胸の中心と、右手の甲を狙われたことで、優子はまったく動けなくなった。動けば何が起きるか分かっていたからだ。誰かが背後から忍び足で近付いてくる。自身の身に危険が迫っているのに、圧倒的に不利な状況で迎えなければない。その不安でグリップを握る力が強くなる。
銃弾が早いか、警棒を持つ手が早いか、やってみるしかなかった。優子は近付く男との間合いを感じつつ、口を閉じ、両肩を上下させるほど深呼吸をした。
「無駄なことは止めろ…前と後ろから狙われている…」
声を抑えた男の声だった。彼女の背後から聞こえた。
ギィギィ…と床の音が近付いていた。
優子には見えなかったが、この時、彼女の背中にもレーザーが照射されていた。
「命だけは助けてやる…」
優子は男の言葉を聞いて、肩の力が抜けてしまう。万事休すの状況だった。追い詰められ、右手は小さく震えていた。もはやこれまでという気持ちに支配された。
その直後、固い物が床に落ちた。乾いた音がフロアー中に鳴り響いていた。その音は攻撃意志を示すには、余りにも大きすぎた。彼女は抵抗しない、投降するという意志を示すため、右手に握っていた警棒を放していた。
銃弾が早いか、警棒を持つ手が早いか、やってみるしかなかった。優子は近付く男との間合いを感じつつ、口を閉じ、両肩を上下させるほど深呼吸をした。
「無駄なことは止めろ…前と後ろから狙われている…」
声を抑えた男の声だった。彼女の背後から聞こえた。
ギィギィ…と床の音が近付いていた。
優子には見えなかったが、この時、彼女の背中にもレーザーが照射されていた。
「命だけは助けてやる…」
優子は男の言葉を聞いて、肩の力が抜けてしまう。万事休すの状況だった。追い詰められ、右手は小さく震えていた。もはやこれまでという気持ちに支配された。
その直後、固い物が床に落ちた。乾いた音がフロアー中に鳴り響いていた。その音は攻撃意志を示すには、余りにも大きすぎた。彼女は抵抗しない、投降するという意志を示すため、右手に握っていた警棒を放していた。
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