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特別捜査官・優子
第1章 遮断
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佐々木は優子を縛った縄を軽く引いた。縄がピンッと張り、男の引きを優子も感じ取った。緊張が全身に走る。優子は男が引いた方向とは逆に、体を回した。
〔あなたの思惑通りにはさせない…〕
「私を拉致しても…あなたは逃げられない…警察はすぐに私の居場所を特定する…無駄なことは止めなさい…」
佐々木は再びフッと笑い、優子を見つめた。佐々木は当然、彼女の携帯電波が全て遮断されていることを把握していた。だがそれを女に伝えなかった。代わりに別の情報を与えた。
「まさかコードネーム『ハヤブサ』とかいう男を信じているのか…奴はどっちの味方なんだ…?」
優子は佐々木の話を信じたくなかった。ハヤブサがここの住所をメールしてきた。だから目を閉じ、首を左右に振り、縛られた手首を解放すべく、「くぅ…」と息を止め、両腕も左右に揺らしていた。
緩んだ縄が優子の体に触れた。彼女はそれに気付き、目を開け、呆然と立ち尽くしていた。佐々木が長く伸びる縄を緩め、投げ縄の要領で優子の体に引っ掛けていた。最初は肩に掛かり、次はお腹まで輪がくぐり、3投目は太もも付近まで輪が彼女の体をすり抜けていた。
〔あなたの思惑通りにはさせない…〕
「私を拉致しても…あなたは逃げられない…警察はすぐに私の居場所を特定する…無駄なことは止めなさい…」
佐々木は再びフッと笑い、優子を見つめた。佐々木は当然、彼女の携帯電波が全て遮断されていることを把握していた。だがそれを女に伝えなかった。代わりに別の情報を与えた。
「まさかコードネーム『ハヤブサ』とかいう男を信じているのか…奴はどっちの味方なんだ…?」
優子は佐々木の話を信じたくなかった。ハヤブサがここの住所をメールしてきた。だから目を閉じ、首を左右に振り、縛られた手首を解放すべく、「くぅ…」と息を止め、両腕も左右に揺らしていた。
緩んだ縄が優子の体に触れた。彼女はそれに気付き、目を開け、呆然と立ち尽くしていた。佐々木が長く伸びる縄を緩め、投げ縄の要領で優子の体に引っ掛けていた。最初は肩に掛かり、次はお腹まで輪がくぐり、3投目は太もも付近まで輪が彼女の体をすり抜けていた。
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