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第1章 遮断

「ハヤブサの秘密を知ってしまった以上…君を逃がすわけにはいかない…」

佐々木は優子の肢体に緩く掛かった縄を最初はそっと、優子が脚を踏ん張って抵抗するのに合わせ、次はグィッと引く。

優子の口から「ぁぁ…」と自身の体が予期せぬ動きで前に進んでしまう、弱々しい声が漏れていた。さらに縄が優子の首に投げ入れられ、胸が大きく上下する。

「私はプロだ…君の異変は誰にも気付かれない…そう…手筈は整えてある…」
男は優子の体を縄で引き寄せ、髪が後ろに束ねられ、露になっていた女の額に手を添えた。
「山口優子…君との時間も空けてある…部屋も用意した…」

女の肩は大きく上下し、「はぁはぁ…」と荒い呼吸を繰り返していた。

佐々木の背後から、サングラスをかけた小柄な男性が何かを持って近付いていた。男性はケーブルのように、輪状にしてまとめた縄を佐々木に手渡していた。佐々木は幾つもの輪を受け取り、それを肩に掛ける。優子はその縄で何をされるのか、己の運命を悟った。