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特別捜査官・優子
第2章 服従のしるし
「ふぅっ…ふぅっ…」と優子は息を漏らした。斜め前方に倒れかけ止まったが、これにより彼女の爪先は完全に宙に浮いていた。佐々木はそれに構わず、腰に手を添え、床に置いてあった優子のバッグを拾い、前に進んだ。

彼女はステージのライトが落とされたことを悟った。
〔あれは…私を捕獲するための…ショーだったの…?〕

優子は地に足が付かないほどの捕縛を味わい、暗闇の中、諦めにも似た無力感に支配されていた。彼女の体は滑車からの鎖に吊るされ、佐々木の誘導により、スムーズに前進を続けた。

カーテンが開けられ、白色灯のライトに、優子は目を細め、続いて顔を背けた。その際に自身の体に巻かれた縄が赤色であったことに気付く。女らしい艶やかな色の縄が体の自由を奪っていることに、胸が苦しくなっていく。下半身に支配的な鎖がXを描くように見え、そこから目を背けようとしていた。

彼女の視線の先には、サングラスをかけたハヤブサがいた。彼は佐々木からの指示を待っていたようだった。

佐々木はジャケットのポケットから、1枚のメモを渡した。そこには住所が記載されていた。
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