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蛇の檻
第9章 ――崩れゆく理性
玲奈の意識が覚醒するにつれ、昨日の記憶が断片的に蘇ってきた。
体の奥に残る鈍い熱。
霧がかった感覚。

それらを振り払おうとするように、玲奈はゆっくりと身体を起こした。
しかし、わずかに動いただけで、全身に違和感が走る。

「……っ……」

肌を撫でる冷たい空気。
何も覆うものがないことを自覚し、玲奈は思わず腕で身体を抱えた。

その瞬間――。

「目覚めたか。」

低く響く声が、部屋の静寂を裂いた。

玄蛇が、仮面の奥から玲奈を見下ろしていた。

扉が開いたことにも気づかなかった。
彼は気配すら感じさせず、静かにそこに立っていた。

「……何を……言っているの……?」

玲奈はかすれた声で問いかけた。

玄蛇はゆっくりと歩み寄る。
彼の黒衣が揺れ、空気が冷たく引き締まる。

「昨夜、お前は敗北した。」

玲奈は肩を震わせる。

「……違う……私は……!」

否定しようとしたが、声が詰まる。

玄蛇は静かに首を傾げた。

「気を失った? ……違うな。」

玲奈の視線が揺れる。

「お前は”女として”覚醒したのだ。」

玲奈の心臓が跳ね上がる。

「……っ!」

それが何を意味するのか――。
玲奈は考えたくなかった。

「違う……そんなはず……ない……!」

震える声で否定する玲奈を、玄蛇は冷ややかに見つめていた。

「お前は、すでに”知っている”のだ。」

「……知って……?」

「そうだ。」

玄蛇は玲奈の顎を指先で持ち上げ、無理やり視線を合わせた。

「昨夜、お前は何を感じた?」

玲奈の瞳が揺れる。

「……っ……!」

「逃げるな。」

玲奈は息を詰まらせる。

昨夜の出来事ははっきりと思い出せない。
けれど、何かが確かに残っていた。

熱。
震え。
自分では制御できない感覚。

――あれは、何だったのか?

玲奈は自分の中に芽生えた疑問に、恐怖した。

玄蛇は玲奈の微かな変化を見逃さず、仮面の奥で静かに微笑む。

「お前は、抗うことをやめる日が必ず来る。」

玲奈の胸が、ざわつく。
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