この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
蛇の檻
第9章 ――崩れゆく理性

玲奈は、意識の奥で何かを感じていた。

遠くで水が滴る音がする。
冷たい空気が肌をなぞる。

――冷たい?

目を開けようとしたが、瞼が重い。
まるで、深い水の底から浮かび上がろうとしているようだった。

呼吸をすると、鈍い痛みが肺の奥に広がる。
喉が焼けつくように渇いていた。

――ここは……?

ゆっくりと意識が浮上し、薄暗い天井が視界に映る。
仄暗いシャンデリアの灯りが揺れていた。

次第に、“今の自分の状態” がはっきりしてくる。

枷は外されていた。

昨夜、四肢を拘束されていた感覚はなくなっていた。
しかし、自由になったわけではない。

――覆うものが、ない。

玲奈は思わず身体を丸めようとした。
だが、力が入らない。

肌をなぞる空気が、異様なほど鮮明に感じられる。
まるで、自分の存在そのものがむき出しになっているような感覚。

「……っ……」

腕をわずかに動かそうとするが、身体が重く、思うように動かない。

――何が、あった……?

記憶を探ろうとする。

だが、昨夜の出来事は霧がかったように曖昧で、断片的にしか思い出せなかった。
観客の視線。
響く熱気。
抗おうとする意志と、沈み込んでいく意識。

「っ……」

喉の奥で、かすれた声が漏れた。

その瞬間――。

「目覚めたか。」

低く、冷たい声が響いた。

扉が静かに開く音。

玄蛇が、漆黒の衣を纏い、仮面の奥から玲奈を見下ろしていた。

玲奈の指先が微かに震える。

――まだ、終わっていない。

玄蛇の冷たい瞳が玲奈を捉えたまま、静かに告げる。

「今夜も、宴は続く。」

玲奈の心臓が、強く跳ねた。

“第二夜” が始まる。
/62ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ