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蛇の檻
第17章 最終章 『神は消える』
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──玲奈を支配していたつもりだった。
しかし今、彼は玲奈の影を追いかける 「玲奈の信者」 になっていた。
玲奈を忘れられない。
玲奈を探さずにはいられない。
玲奈がどこかで生きているのなら、
彼はその姿をこの目で見なければならない。
玄蛇は、自分が何をしているのか、もはや理解していなかった。
玲奈に囚われたのは、結局、自分の方だったのだ。
彼は玲奈を檻に閉じ込めた。
玲奈を「神」とし、玲奈を所有しようとした。
だが今、彼自身が「玲奈の檻」に閉じ込められていた。
玲奈はもういない。
彼はそれを知っている。
それでも、玲奈を探さずにはいられない。
彼は歩き続ける。
玲奈を求めて、玲奈の影を追って、玲奈にすがるように。
夜の闇が、彼を飲み込んでいく。
その闇の奥で、玲奈の微笑みが、静かに揺れている気がした。
──それは幻か、それとも本当に玲奈がそこにいるのか。
誰にも分からない。
ただひとつ確かなのは、
玄蛇は、玲奈の信者として、永遠に玲奈を追い続けるという運命を選んだことだった。
彼は最後に、微笑んだ。
それは、苦悩か、歓喜か。
それすらも、もう分からなかった。
玲奈は、永遠に彼の中に生き続ける。
そして、玄蛇はその微笑みを求め続けるのだろう。
この命が尽きる、その瞬間まで──。
『蛇の檻』
完
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