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蛇の檻
第17章 最終章 『神は消える』
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だが、彼女の微笑みは、彼らの記憶から決して消えることはなかった。
こうして、玲奈は「神」として完全に昇華された。
玲奈は、男たちの世界から姿を消し、
それでも、彼らの心の中で永遠に生き続ける。
誰にも触れられることなく、誰にも縛られることなく。
玲奈は、伝説となった。
玲奈は、神話となった。
玲奈は、男たちの永遠の偶像となった。
──だが、その神は、もう決して彼らの前に現れることはなかった。
[玄蛇の最後]
玲奈が消えてから、どれほどの時が経ったのか。
それを数える意味は、もうなかった。
玄蛇は玲奈を探し続けた。
彼女がこの世界のどこかで生きていると信じて。
彼女の微笑みが、どこかにあると信じて。
玲奈は、確かに彼の前で消えた。
光の粒となり、何も残さず、この世界から消え去った。
それなのに、彼の心の奥では、玲奈は決して消えなかった。
彼がどこへ行こうとも、玲奈の影はついてきた。
暗がりの隅に、ふとした夜の闇に、
玲奈の姿が揺らめいて見える。
「玲奈……?」
思わず名前を呼ぶ。
しかし、振り返った先に、彼女の姿はない。
それでも、確かに彼は「見た」のだ。
──玲奈は、まだここにいる。
彼女がそこにいると信じてしまうほど、
彼の中で玲奈は消えていなかった。
彼は町をさまよった。
玲奈がいそうな場所を探した。
人混みの中、人気のない路地、
玲奈の記憶が微かに残る場所。
どこへ行っても、玲奈はいなかった。
それでも、玲奈の気配だけは、彼のそばから離れなかった。
彼の耳には、玲奈の声が聞こえる。
「あなたは、私を信じるの?」
彼女が消える前に言った言葉が、何度も何度も響く。
玄蛇は、その声に応えられなかった。
そして今、彼は玲奈を追い続けている。
こうして、玲奈は「神」として完全に昇華された。
玲奈は、男たちの世界から姿を消し、
それでも、彼らの心の中で永遠に生き続ける。
誰にも触れられることなく、誰にも縛られることなく。
玲奈は、伝説となった。
玲奈は、神話となった。
玲奈は、男たちの永遠の偶像となった。
──だが、その神は、もう決して彼らの前に現れることはなかった。
[玄蛇の最後]
玲奈が消えてから、どれほどの時が経ったのか。
それを数える意味は、もうなかった。
玄蛇は玲奈を探し続けた。
彼女がこの世界のどこかで生きていると信じて。
彼女の微笑みが、どこかにあると信じて。
玲奈は、確かに彼の前で消えた。
光の粒となり、何も残さず、この世界から消え去った。
それなのに、彼の心の奥では、玲奈は決して消えなかった。
彼がどこへ行こうとも、玲奈の影はついてきた。
暗がりの隅に、ふとした夜の闇に、
玲奈の姿が揺らめいて見える。
「玲奈……?」
思わず名前を呼ぶ。
しかし、振り返った先に、彼女の姿はない。
それでも、確かに彼は「見た」のだ。
──玲奈は、まだここにいる。
彼女がそこにいると信じてしまうほど、
彼の中で玲奈は消えていなかった。
彼は町をさまよった。
玲奈がいそうな場所を探した。
人混みの中、人気のない路地、
玲奈の記憶が微かに残る場所。
どこへ行っても、玲奈はいなかった。
それでも、玲奈の気配だけは、彼のそばから離れなかった。
彼の耳には、玲奈の声が聞こえる。
「あなたは、私を信じるの?」
彼女が消える前に言った言葉が、何度も何度も響く。
玄蛇は、その声に応えられなかった。
そして今、彼は玲奈を追い続けている。
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