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夜に咲く名前のない恋人達
第2章 ホストクラブデビュー
「また怒るの?新人アイドルちゃん。せっかく可愛いのに~」

甘えたような声で、ぷりんの顔を覗き込むルカ。

あざとくて甘い吸い込まれそうな瞳が、じっとこちらを見つめてくる。

ずるい……

そんな顔で見つめられたら、また可愛いって思っちゃうよ……

「……そんな顔しないでください……ずるい……です……」

思わずこぼれた言葉に、ルカがますます楽しそうに微笑む表情をチラッと見ると、頬が熱くなっていくのが自分でもわかる。

そのとき、タイミングよくエレベーターの扉が開いた。

「エレベーター来たよ?」

人と話すのが得意ではないぷりんは、ホッとするような、でもちょっとだけ残念なような、複雑な気持ちだった。

もしエレベーターが来なかったら……

ルカくんは、何を言ってくれたのだろう……

エレベーターの扉が開いた先には、誰もいない。

少しの間、二人きりの密室になってしまう。

姫先輩の言ってたのって……

二人きりの空間でキスするんだよね……?

そんな期待と不安が、頭をよぎるぷりんだった。


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