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夜に咲く名前のない恋人達
第3章 ルカと歩むアイドル道
生誕祭も終わり、イベントスタッフがステージの片付けを始める様子を、ぷりんは名残惜しそうに眺めていた。

終わっちゃった……

ルカくんはなんで帰っちゃったんだろう……

スタッフがプリン型のフラワーオブジェを片付けていると、ヒラリと1枚の紙が落ちた。

「あっ……何か落ちましたよ?」

何気なく拾い上げたぷりんは、それを見て言葉を失った。

それは、ルカの顔写真入りの名刺だった。

「これ……」

驚いて名刺を見つめていると、近くにいた女性スタッフが、軽い口調で言った。

「あー。あの人、ホストだったんだ?」

「えっ?」

「朝からずっと、今日の準備を指示してくれてたの。プリンのフラワーオブジェも、あの人のアイデアなんだよ?」

「えっ!!……ルカくんが……?」

「うん。一人でこんな規模のイベントの額を払う人って、何者なんだろうって思ってたけど……ホストなら納得……」

スタッフは何気なく言ったていたが、ぷりんにとっては大きな衝撃だった。

ルカくんが……準備してくれた……?

ステージに立って、ファンのみんなと楽しく過ごした、幸せなこの時間。

ルカくんがくれた、最高の生誕祭だったんだ!!

今すぐ、お礼を言いに行かなきゃ!!

追い返されたっていい。

もう一度、ルカくんに会いたいっ!!

ぷりんは急いで控え室に戻り、衣装を脱ぎ捨てるようにジャージに着替えた。

待ってて、ルカくんっ!!

こうして、ぷりんは歌舞伎町へと走り出した。


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