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夜に咲く名前のない恋人達
第4章 ルカへの想い
その言葉を聞くと、うっすらと笑みを浮かべるルカ。

「……そっか。じゃあいつか、そのお礼はこの体で払ってくれよな?」

ぷりんの頭をポンッと軽く叩いて立ち去ろうとしたルカに、呟くように緊張した面持ちで言った。

「いいよ……本当にそれをルカくんが望んでるなら……」

ルカくんにお返しできる事なら、なんだってしてあげたい……

きっと……今の私の顔……引きつってる……

ルカくんを困らせたいわけじゃない……

だから私の体……震えないで……

バカにされたり、からかわれる事を覚悟したが、ルカは語気を強めて言った。

「お前、今なんつった?」

振り向いたルカの目が、本気で怒っているように見えた。

それでも、ぷりんだって軽々しく口にした訳ではない。

「……だから……いいよ……ルカくんが私の初めての人になっても……」

ぷりんは真剣な眼差しで、ルカの目をまっすぐに見つめた後、彼に飛び付いて首に手を回した。

そして間髪入れずに、自ら唇を重ねる。

「ちゅっ……」

ルカくんは女の子を扱うプロだ……

このままだと、色々と言いくるめられてしまう……

私の気持ちを伝えるには、こうするしかなかった。

ルカくんはキスなんて特別じゃないかも知れない。

でも私にとっては大事な……

ファーストキス。

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