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第9章 落着

数日後、岩瀬首相は内閣総辞職した。後継者を決める日本国民党の総裁選は予想通り曽根崎幹事長が名乗りを上げた。そして同派閥の宮野は大五郎の力で２０人の推薦人を集め、出馬表明した。

長男小五郎が追っていた浅川組組長殺害容疑の武田組田中竜次は、弟芳雄からAV女優篠原ランの別荘にいるとの情報を得て小五郎が単独で急行し、銃撃戦の末射殺ということになっているが真実かどうかは分からない。田中は１０発以上の銃弾を浴びていた。

AV面接後に行方不明になった水沢笑子は、実は刑事でAV会社がAV新法を守っているかの潜入捜査をしていた。田中の手下のマンションで全裸にされきつく縛られ監禁されていたが、自力で脱出していた。田中が逃げていたのは、水沢を消したからではなく、自分の女のヤサを小五郎に知られたからであった。

竜田は篠原ランに探偵だと打ち明けたが、大岩芳雄だとは名乗らず竜田揚という名前でランと交際を始め、AV男優はやめて元の探偵業に戻っている。そしてランがボインの新社長になった。実は大五郎は篠原ランの大ファンだ。まさか自分の息子が交際しているとは思ってもみないだろう。

知子は経理としては解雇され、大五郎と芳子のペットとして大岩邸で可愛がられている。