この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
微熱に疼く慕情
第1章 【渇いた心】

油断、していた
この男の存在は完全に消えていたから
頭の隅にでも置いて、警戒しておくべきだったか
平日の夜、外食を済ませて帰宅途中、
バッタリ会ってしまった
目もバッチリ合ってしまっているので
誤魔化しようがない
お互い「あっ…」ってなる
スーツ姿、久しぶりに見た
ふわっと笑う顔、一瞬にしてあの頃に引き戻される
「久しぶり、一華だよな?」
「……うん、久しぶり、だね」
「うわ、めちゃくちゃ綺麗になってるじゃん、一瞬ビビった、ハハハ」
「大智は変わってないね、すぐにわかった」
「え、格好良さは変わってないって?」
「……じゃあ、また」
「おいおいおいおい、スルーするなよ、久しぶりに会えた訳じゃん」
「相変わらず元気そうだね」
「いや、元気なかったけど、今、元気出た」
「ふふ、何それ」
「あ〜懐かしい、一華いつもそうやって塩対応だったのがまんま蘇ってきた、一華こそ中身変わってねぇじゃん、外見は変わったけど」
少し立ち止まって話してたら急に降り出した雨
そういや雨雲レーダーが近付いてるってさっき通知が来てたんだった
慌てて近くの屋根探して雨宿りしたけどお互いびっしゃびしゃ
バックからハンカチ出して自然と大智のスーツを拭いてた
「いや、俺は良いから一華拭けって…」
「え…?」
久しぶりの距離感の近さにびっくりした
ごめん…と離れたけど変な空気に戸惑う
「すぐ止むかな〜?」と空を見上げる大智の横顔
髪が少し濡れてる
大智は前の職場で一緒に働いてた同僚で、2年くらい付き合ってた
彼の浮気が原因で別れたはずだけど、この胸の高鳴りは何なのか
記憶から排除したはずなのに
もう、二度と会う事はないと思っていたのに……

